姫密桜
「うん」

ドアが、少し開き
水滴のついた槇の手首
腕が見える。

その手に私は、タオルを
置いた。

「ありがとう」

槇は腰元にタオルを巻く

「サクラ、すぐに
 出てってやるから
 壁側を向いて
 立ってろ」

「うん、立ってるよ」

「出るぞ」

「うん」

浴室のドアが開く・・・
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