姫密桜
気まずい場の空気が

一気に変わる。

「あら、カイ
 おかえりなさい
 
 ご飯、用意できて
 無いわよ」 

「ただいま
 
 食べて来たからいいよ
 お茶、ほしい」

「はい、はい」

母は、冷蔵庫へ向かい
グラスに、冷えたお茶を
注ぐ。

櫂は、鞄を食卓の椅子に
置く。

「カイちゃん
 今日はどうしたの?」

「彼女と、喧嘩?」
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