姫密桜
「お前ら、知ってる子?
 なら、
 声かけてやれよ」

櫂ちゃんの声に、私は
槇の腕を放した。

槇が、彼女へと歩み寄る

嫌・・・

彼女に近づかないで

今すぐ、歩みを止めて。

その時

槇が、彼女に近づくより
も先に、彼女が槇へと
駆けて来た。

彼女を抱きとめる槇。

槇の腕に抱かれる彼女は

涙で濡れる瞳で

槇を見つめる。
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