姫密桜
槇は、淡々と話し出す。

「ルミは
 二年経った後も
 できれば
 日本に戻らないで
 そのまま、カナダで
 生活を送りたいらしい

 俺は外国になんか
 全く興味はないし
 住みたいとも
 思わない」

「二人の描く未来
 見つめる方向が違う物
 となってしまった今
 一緒にはいられない
 そういうことだな

 彼女の為に
 よく決断したな」

父の言葉で、私はやっと
槇の思いを
知ることができた。

槇は、夢を持つ
彼女の為に
別れを選んだ。
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