姫密桜
「マキ
 これ、カイちゃんが」

「ああ」

「オリグチさんも
 どうぞ」

私が差し出した
缶コーヒーを
彼女は受け取る。

彼女の手が、やっと
槇から放れた。

「ありがとう」

「サクラ、ほら」

櫂ちゃんが私にも
缶コーヒーをくれた。

「ありがとう」

「あの・・・
 ありがとうございます
 いただきます」

櫂ちゃんは、頷き
彼女に微笑んだ。
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