姫密桜
恋人になれない

「マキ、いいのか
 彼女・・・」

「サクラ、帰ろう」

二人の声が重なる・・・

槇は、私の手を掴んで
家へと歩き出す。

この手の温もりに
私は、安心する。

泣いている彼女よりも
妹の手をとる槇の後姿に
櫂は、飽きれる。

「本当、お前ら
 仲、いいなぁ
 
 恋人・・・みたいだ」
< 147 / 675 >

この作品をシェア

pagetop