姫密桜

愛されたい

箸を持つ手が、動き出す

「なあに、マキ
 お前には
 傷ついてる時間
 なんて無いさ
 
 ルミちゃんと別れた事
 あっという間に学校中
 に知れ渡るだろうから
 また、お前の周りは
 忙しくなるよ」

「アニキ
 面白がってる?」

「まあね、お互い
 もてる男は
 辛いよな?」

「俺は、アニキほどじゃ
 ないさ」

口角をあげて微笑する
槇に、笑う櫂。
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