姫密桜
彼女が、羨ましいよ

彼女は、どんなに
悲しい表情を浮かべても
槇に、自分の想いを
告げる事ができる・・・

槇の傍で
恋する女の子で
いられる。

貴方が好きだと
精一杯、訴えかける事が
できる。

そんな彼女が、羨ましい

憎らしい・・・

「サクラ
 サクラ、おいっ」

後ろから、槇が
私を呼ぶ声が、聞こえる

私は、槇の声が
聞こえないふりをして
女子トイレへ逃げ込んだ

鏡に映る、涙を流す私は
とても、醜い・・・

欲しいものが
手に入らないと言って
泣いている・・・
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