姫密桜
「マキ・・・

 何も言わないで
 
 今だけ
 
 このままでいさせて」

貴方は、黙ったまま
私の背中に腕を回した。

もう、この想いは

止められない・・・

槇を見つめる彼女の

可愛い仕種が

私の想いに拍車をかける

午後の授業が始まる
チャイムの音が響く。

止められない想いは
溢れ出す・・・

貴方を

折口さんには

渡さない。

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