姫密桜
ボソっと優しい槇の声が
聞こえた。

「サクラ・・・
 授業が始まる」

「ごめんなさい」

私は慌てて

槇から離れた。

槇は、また
私の顔を覗き込む。

「サクラ、本当に
 大丈夫なのか?
 
 授業には
 出れそうか?」

「うん、ありがとう」

「行こう、教室まで
 着いてってやるよ」
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