姫密桜
槇に触れたひと時を
思い出すと恥ずかしい。

私達の横を、那智が
歩いて行く。

那智は、槇に
ちょこっと、会釈した。

槇も、会釈を返す。

「サクラ、じゃあな
 帰って
 ゆっくり休めよ」

「うん、ありがとう
 ナチ」

「サクラちゃん
 バイバイ」

「サクラ、バイバイ
 マキさん、さよなら」

「ああ、さよなら」

「ワカ
 ちょっと待って」

私は、和歌子に告げた。

「この機会に
 ナチといっぱい
 話しなよ」

帰って行く
友達の後ろ姿。
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