姫密桜
「マキさん
 私、サクラの事が
 気になるので
 教室に戻ります」

「ああ・・・」

和歌子が二つの
お弁当箱を手に
立ち上がると
西も、その場に立つ。

「ワカちゃん
 俺も、そこまで
 一緒に行くよ」

「リュウ、お前 
 どこ行くの?」

「便所、すぐ戻る」

二人の後姿は
見えなくなる。

提出し忘れたノートを
急いで先生に届ける為に
職員室へ向かう

私は、今

屋上に、槇と折口さんが
二人きりだなんて
知らなかった。

折口さんは槇に願う。
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