姫密桜
「サクラ
 おはよう」

「おはよう」

挨拶なんてこの際
どうでもいいよ

『誰と一緒に過すの?』

聞きたい事は

唯、一つ。

家を出て行く、槇。

私は、見つめる。

閉まった玄関のドアを
見つめながら
立ち尽くす。

重いドア・・・

「サクラ、ほら
 ゆっくりしてたら
 ・・・・・・
 あら、部屋かしら?」

そこに、私の姿は無い。

そう、私はパジャマ姿で
槇の後を追いかけた。
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