姫密桜
「マキ」

振り返った槇は
驚いて、ポカーンと
口をあけている。

「サクラ、お前
 そんな格好で
 何してる?」

槇は、制服のブレザーを
脱ぎながら、私の傍へと
急いで近づく。

白いブラウスが
太陽の光の元
全ての色を反射する。

槇自身が、キラキラと
輝く。

何も言わずにその場に
立つ私に

槇は、手に持つブレザー
を肩にかけてくれた。

紺色のブレザーは
ピンク色の花柄模様の
パジャマを隠す。
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