姫密桜
「死ぬ程
 愛しているのに

 マキは、彼女を
 選んでしまった

 私の想いは
 もう、届かない」

「サクラ・・・」

振り返る私に
母の姿が写る。

母は、私の秘め事の
全てを聞いてしまう。

「サクラ、あなた?
 ・・・・・」

母の言いたい事は
分かる。

だから

何も言わないで。

「ママ、私
 
 ちゃんと
 分かってるから
 
 ちゃんと
 これからも好きな人の
 妹を演じてみせるから
 ・・・
 
 だから何も言わないで
 今の事は聞かなかった
 事にして・・・」
< 217 / 675 >

この作品をシェア

pagetop