姫密桜
私は、声を出して
母の前で泣いた。

この十年間

ずっと

秘め続けた想い

狂おしい想い

「サクラ
 辛かったでしょう?
 
 気づいて
 あげられなくて
 ごめんね」

最後に母は

大切な事を告げた。

「マキは、サクラ
 あなたの事が好きよ
 
 多分
 今もきっと・・・」

那智と同じ言葉を
母は言う。

遠い昔・・・

『かわいい
 サクラ
 
 ぼくのサクラ
 
 だいすき』
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