姫密桜
言葉を詰まらせる彼女は
槇の腕を強く掴んだ。

強く・・・

「お願い、マキ
 つらい恋は
 もうやめて
 
 傷つくあなたを・・・
 
 許されない愛の果てに
 絶望するあなたを・・

 見ていたくない」 

絶望したのは、梓の父

許されない愛だと
分かっている・・・

分かっていたから
桜を好きな気持ちを
この胸の奥深くに
閉じ込めた。

そして、幼馴染の
留美に恋をした。

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