姫密桜
那智に抱きつく

桜の姿が

槇を支配する。

動揺する槇の胸は
苦しい・・・
 
「マキ・・・」

彼女はそっと、槇の
綺麗な横顔、頬に
細い指で触れた。

「お願い、マキ
  
 そんなに
 悲しい顔しないで・・
 
 そんなに、つらい瞳で
 私を見ないで・・・

 パパ」
  
頬に触れる、梓の手

震えている。 

「彼女を好きな
 あなたごと

 私は、あなたを
 包んであげたい

 マキ
 あなたが好き」

あなたが欲しい。
 
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