姫密桜
長い間、部屋の中で
過していた私は
どうしても御トイレへ
行きたくなり
こっそりと自分の部屋
を出て向かう。

槇に逢いたくないくせに
私の瞳は、槇を探す。

リビングを覗くと
休日を家で過す父がいた

父の声が聞こえた。

「今日のマキ、なんか
 元気なかったなぁ」

「あら、そう?
 ・・・・・・
 きっと、サクラが
 おめでとうと言って
 あげてないからだわ」

「ああ
 それで、アイツ
 浮かない顔
 してたのか?
 
 でも、サクラがマキの
 誕生日に寝坊する事
 なんてあるんだな

 珍しいなぁ」
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