姫密桜
その夜・・・

槇の体調は相変わらずで
結局、誕生日を祝う事は
できなかった。

槇の様子を見てきた母
は、氷を作るために
冷凍庫を開けた。

そして、次に冷蔵庫を
開いて、中を覗くと
そこには、出番を
待ち続けている
誕生日ケーキ

槇の大好きな、から揚げ
が、タッパーウェアの
容器に入れられて
保存されていた。

冷蔵庫のドアを閉める
母は、言う。

「明日には、お祝い
 できるかしら?」

「この調子じゃ
 無理かもしれないな」
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