姫密桜
槇の誕生日は、翌日

何も無かったように熱が下がり
元気になった、槇を囲んで
家族で祝う事ができた。

「マキ、お前
 知恵熱だったんじぇねぇの?
 
 お騒がせな奴」

櫂ちゃんは、冗談を言いながら
ケーキを美味しそうに食べて
彼女の元へと帰って行く。

玄関で靴を履く、櫂ちゃんに
槇が、ひと言。

「アニキ、彼女の尻に
 敷かれすぎんなよ」

「うるせえ」

月曜日・・・

私は教室へ
入ることを少し躊躇した。

彼女、折口さんの顔を見るのが

なんだか、こわくて

彼女は、槇の誕生日を一緒に
祝う事ができなくて、きっと
悲しい顔をしているはず・・・

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