姫密桜
「・・・そりゃ、無いぜ」

そんな私の態度から、全てを
知った那智は、ガクっと
肩を落とす。

「ごめん

 ごめんなさい、ナチ
 私、あなたの気持ちには
 答えられない・・・?」

那智の笑う声が、ロッカーに響く

「ハハッ・・・
 サクラ、良かったな」

那智は、辺りを見渡して
誰もいないことを確認して
少し小さな声で話す。

「だから、俺が言っただろう?
 アニキはお前が好きだって
 
 俺の勘は、本当侮れない
 自分で自分がコワイ」

笑う那智につられて、私も
微笑むのだった。
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