姫密桜
「マキ、私が心配?」

「ああ・・・」

「それは、恋人としてだよね?
 貴方は、私を選んでくれた
 違う?」

「オリグチ、ごめん」

「どうして、いつかのように
 アズサと
 名前で呼んでくれないの?」

その頃、私は教室で和歌子と
話をしていた。

「クスミさん
 あなたのお兄さん
 
 オリグチさんと、三年の階段
 の踊り場で、何か真剣な話
 してたよ
 
 お兄さんと、オリグチさん
 って、付き合ってるの?」 

「ううん」

私は慌てて、その場に立ち
教室を出た。

「サクラ」

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