姫密桜
人は、こんなにも醜くなれる。

彼女の瞳は、私の瞳・・・

チャイムが、鳴り響く。

梓は、槇に告げた。

「マキ
 もう、行ってもいいよ」

「オリグチ
 帰りに、校門で待ってるから
 必ず、来てくれ」

梓は、頷いた。

私を見つめた後、槇は
階段を下って行く。

槇に、声をかけた女生徒は
階段を下りて、梓とすれ違う
瞬間に、彼女に吐き捨てる。

「一緒にお昼ご飯
 食べてるからって
 彼女面はやめてね」
 
「アンタ
 もう、振られてるんだから
 クスミ君に付き纏うのは
 やめてね」
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