姫密桜
笑って、彼女達は教室へ
戻って行く。

散らばる生徒達。

私は、その場に立ち尽くす。

「サクラ、授業が始まる
 帰ろう」

彼女の瞳に睨まれた私は
動くこと・・・できない。

階段を上ってくる彼女を
私はただ、見つめていた。

声をかけることなんて
私にはできない。

彼女は私の前に立ち
私の頬を思いっきり
叩いた。

パチンッ・・・廊下に音が響く

「痛ッ」

「マキは
 あなたにだけは

 絶対に渡さない」

「ちょっ、お前
 何してんだ」

梓の肩を掴む、那智。
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