姫密桜
そんな私の手を握る

温かい手、那智の手。

那智は、和歌子や西さんに
聞こえないように

小さな声で、私に告げる。

「サクラ、大丈夫だ
 お前は、アニキを信じて
 家で待っていればいい
 
 彼は、ちゃんと話を付けて
 お前の元へ帰ってくるさ」

「本当?」

「ああ
 それが、俺の勘・・・
 
 俺の勘は当たるよ
 今まで外れたことは
 ・・・・・・」

「一度も無い・・・
 でしょう?」

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