姫密桜
永次は言う・・・

たった、一度の過ちだと

「愛しているのは
 お前だけ」

その言葉を信じて、永次の
愛を繋ぎとめて、彼女の事を
憎んだ。

永次を愛していたから
彼女を悪者にする事で
千草は、千草でいられた。

そして、千草と美鈴は
一人の男性を奪い合った。

「私、エイジの子供を
 妊娠したの」

その後の、辛い日々を
千草は思い出したくない。

永次を奪い合う事に
疲れ果てた千草は
身を引いた。

本当は、千草の中にも
永次との命が宿っていた。

だけど、千草は選んだ・・・

『エイジ
 
 私の事、忘れていいよ
 
 ミスズを幸せにしてあげて』
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