姫密桜
「マキ、どう・・・?」

槇の元へ行こうと、その場に
立とうとした、私の腕に
櫂ちゃんは、腕を絡めて言う。

「マキ、邪魔すんなよ」

櫂の低い声・・・

真面目な顔つき

部屋の空気が、変わる・・・

槇の顔を、真っ直ぐに
見つめる櫂。

二人は、お互いに相手から
視線を逸らさない。

テレビの音だけが、聞こえる。

今日の櫂ちゃんは、少し変?

「何てな
 いつもの仕返し・・・

 マキ、そんな顔するなよ
 お前から、サクラを
 取ったりしないさ

 ほらっ、座れよ
 ここは、お前の特等席だろ」

「カイちゃん・・・?」

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