姫密桜
「俺は、部屋行って休むわ
 疲れた」

「アニキ、後で・・・」

「起こさないでね」

重なった、二人の声・・・

櫂ちゃんは、槇の肩を
ポンポンと叩いた後

私に微笑みかけて
部屋へ戻って行った。

櫂ちゃんは私達が
付き合ってる事

愛し合ってる事

知っているのかもしれない。

「カイちゃん、知ってる?」

「さあな、断定はできないけど
 ・・・感の鋭い人だ
 折を見て、アニキには
 話す方がいいかもしれない」

「話すって、何を・・・?
 
 駄目だよ
 絶対、それだけはダメ」

「サクラ
 何が駄目なの?
 
 どうしたの?」

そこへ、用事を終えた
母が現われた。

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