姫密桜
「単位は
 ちゃんと取れてるの?」

「それなら、任せてよ
 心配は要らない」

「心配なんてしてませんよ
 あなたは、本当
 よくできた息子です」

「母さん
 よく言うよ」

朝の光が指す、明るい食卓に
二人の笑い合う声が響く。

いつもとは違う、朝の風景に
私は立ち尽くす。

櫂ちゃんは、私と槇の関係を
知っているかもしれない?

櫂ちゃんに声をかける
勇気・・・無い。

「サクラ、おはよう」

私の肩に触れる、槇の手に
ビクッと驚く私
< 342 / 675 >

この作品をシェア

pagetop