姫密桜
微笑む、槇。

私に緊張が走る。

「・・・おはよう」

私達が挨拶を交わす声に
気がついた母、そして
振り返る、櫂ちゃん。

櫂ちゃんの視線・・・

「アニキ、今朝は早いね?」

槇は、いつものように
自分の席に座る。

「まあな」

「サクラ、早く座りなさい」

私は、槇の隣の席に
なかなか座ることが
できない。

「今、食パン焼くわね
 少し待ってて」

「ママ、私
 朝ご飯、いいや
 友達が待ってるから
 もう、行くね」
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