姫密桜
「だって・・・
 カイちゃん
 知ってるかもしれない」

不安で、半分泣き顔の
私を見つめる槇。

「アニキが俺達の事
 知ってたらどうするの?
 
 別れるのか?

 お前の俺への感情は 
 そんな軽いものなの?」

「違うよ
 軽くなんて無い
 マキへの想いは
 本物だよ
 
 私は、マキを愛してる」

涙が頬を伝う・・・

「だけど、不安なの
 私のマキへの想いが
 家族の関係を
 壊してしまうかもしれない
 
 お父さんとママが
 築いてきたもの全てを
 壊してしまっても
 いいのかなぁ?」

槇は強く、私を抱きしめる。
< 348 / 675 >

この作品をシェア

pagetop