姫密桜

閉じ込める

いつもよりも
うんと、早い時間

私達は、手を繋いで
学校まで続く道のりを
時間をかけて、ゆっくりと歩く

風が吹くと、私の制服の
スカートがヒラヒラと揺れる。

朝の香り・・・

とっても、心地よい。

あれから、槇は何も話さない。

だけど、それを
不安に思ったりしない。

だって私は
無口な槇が好きだから

槇と過ごす、静かな時を
退屈に思った事なんて無い。

槇の横顔を、私が見つめると
貴方は、すぐに見つめ返して
くれる。
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