姫密桜
どんな事をしてもあなたを
彼女には渡さない・・・

梓の中、悪魔は囁く。

『彼は、お前のもの』

お互いの想いを今一度
確認しあった、私達は
何事も無く、いつもどおり
穏やかな日常を過ごしていた

リビングで私と一緒に
テレビを見ている槇に
話しかける、父の声。

「マキ、話がある
 テレビを消して、今すぐ
 ここに座りなさい」

「えっ
 今、いいところなのに・・」

槇と連続ドラマを見ていた
私の声。

ダイニングテーブルの席には
父、その隣には、母。

「どうかしたの?
 マキ、何かあったの?」

槇を見つめる、私の瞳。

「大切な話だ
 早くしなさい」

真剣な父の表情。
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