姫密桜
早く、気づいてやれよ

早く、連れ出してやれよ

早く、抱きしめてやれよ

・・・・・・

「マキ

 一発殴らせてよ」

今までに見たことの無い
大人で、真剣な兄の顔・・・

「ああ、いいよ」

櫂は、槇の頬を思いっきり
打った。

「大切にしてやれよ
 
 親に何を言われても
 二度と放すな」

真っ直ぐに櫂を見つめる、槇

「分かってる
 
 何があっても放さない」

「いい顔してんじゃん
 
 それでこそ
 俺の可愛い弟だ」
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