姫密桜
槇の頭を、ぽんと叩いた櫂。

「マキ、話ってそれだけか?」

「ああ、うん
 
 父さんや母さんには
 俺が定職に付いてから
 二人の事を話すよ」

「分かった
 その時は、この俺も
 お前達の傍に居てやる
 
 真剣なお前らの姿を
 目の当たりにすれば
 父さんも母さんも
 何も言わないさ
 
 お前らは血の繋がらない
 兄と妹
 
 結婚は認められている
 
 誰にも
 咎められる筋合いはない」

誰にも、俺達を引き裂く事は
できない。

俺と桜の想いが

ひとつなら・・・
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