姫密桜
槇・・・

貴方は、二人が離れずに
ずっと傍にいられるように

誰に、許されなくても
二人だけで、ちゃんと
生きていけるように

槇の人生

その全てをかけて
私との未来を現実のものに
しようと、歩み出してくれて
いたのに・・・

何も分からない、幼い私は
貴方の行動の意味を履き違え
一人傷つき、落ち込む。

貴方の本当の声を聞こうとも
せずに・・・

「おはよう
 母さん、サクラは?」

「もう
 学校へ出かけたわよ」

着替えの済んでいない、槇
では、桜の後を追いかける事
はできない。

桜と、話したい。

話さなければ、桜を不安に
させてはいけない。
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