姫密桜
和歌子と帰る約束してるの。

和歌子に那智との事
ちゃんと話さなきゃ・・・

校庭で、槇が待ってる。

でも、その場所に私は行けない

この領域で、槇に近づけない

近づけないよ・・・

「サクラ、帰ろう?」

「うん」

槇の元へ行くの?

行かないの?

私を見つめる・・・視線・・・

「ワカ、お願いがあるの」

教室の窓から、校庭で私を
待ち続ける槇の姿が見える。

数分後、槇の傍に和歌子が
近寄り、貴方は私の教室を
見上げた。

私は、咄嗟に窓から離れた。
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