姫密桜
「驚いたでしょう?
 
 驚くよね・・・
 
 オリグチさんが言ってたのは
 全部、本当の事なの

 私は、オリグチさんと
 付き合う事を決めていたマキ
 に愛を告白して、彼女から
 奪ったの」

「・・・サクラ」

言葉が出ない、和歌子。

兄と妹・・・恋愛・・・

そんな話、聞かされても
分からないよね?

「気持ち悪いよね?
 
 幾ら血が繋がっていないから
 って、兄の事を恋愛対象に
 見てるだなんて・・・
 
 でもね、この想いはイケない
 ことだと想いを閉じ込めて
 マキを兄として見ようと
 努力した時期もあったの」

ポタポタと流れ落ちる桜の涙を
見つめている和歌子の胸は
とっても切ない。

何て言ってあげればいいのか
彼女は悩む。
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