姫密桜
「・・・ワカ、ごめんね
 ナチのことだけど・・・
 彼は、私のマキへの気持ち
 全てを知ってるの

 だから、あの場で皆の気持ち
 を私と槇から逸らす為に
 私にキスをした・・・
 
 ごめん」

「サクラが謝ること無いよ

 そんな優しい彼だから
 私、好きなんだもん・・・」

恋する二人は見つめあい
微笑みあう。

「サクラ、早く帰って
 マキさんの話、聞いて
 あげなよ」

頷く私・・・

槇と向き合って話す事が怖いの
は、今日の事だけが原因では
ない。

槇の口から家を出て行く事実を
聞きたくない・・・

槇には、このままずっと
ここに居てほしい。

ここに、貴方が居なければ

貴方が欠けてしまったら

意味が無い・・・
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