姫密桜

俺の存在

あの娘なんて

「いなくなればいい・・・」

梓の言葉に戸惑う、父親。

遠い昔に見た、妻、美鈴と
娘、梓の表情が重なる。

「・・・・・」

「お父さん、何?
 着替えたいんだけど・・・」

「ああ、何でもないよ」

梓の部屋を出て、ドアを閉める
父親。

『お前達は、異母姉妹だ』

この口を付いて出そうになった
言葉を、飲み込んだ。

『嫌い、大嫌い』

『いなくなればいい・・・』

お前達の中に流れる
半分の血は、いつまで
立っても争いをやめないのか?
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