姫密桜
「ええ、マキとサクラを連れて
 この家を出て行きます」

「チグサ
 お前は何を言ってる?」

「私は、世間の人に白い目で
 見られても構わない
  
 全ての人を敵に回しても
 マキとサクラの想いを
 愛を守ってあげたい
 
 二人は、兄妹じゃない
 
 愛し合うことは
 誰も止められない」

真剣な妻、千草の眼差し。

「何、バカな事を言ってる
 あいつ等は兄と妹だ・・・

 チグサ、お前は二人の愛を
 応援するとでもいうのか
 
 バカバカしい
 
 いい加減にしろ」

階段の上で、父親の怒鳴る声に
ビクッと震える、桜の体。

「いい加減にしてほしいのは
 あなたよ」
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