姫密桜
「あなたがそんな人だとは
 思わなかったわ
 
 サクラを身篭っている私と
 結婚を決めた貴方は、誰に
 何を言われようと、決して
 私の、この手を放さなかった

 今の貴方は、あの時、私達を
 白い目で見た、あの親戚の
 人達と同じ目をしてる・・・
 
 私の、愛した人じゃない」

「俺の、この気持ちが
 分からないのなら・・・
 
 出て行けばいい」

閉まるドア・・・

母の涙

母のため息・・・

階段の上

桜は、涙を拭う。

父親の後ろ姿・・・

「家族が、めちゃくちゃに
 なっちゃうよ・・・」

桜を後ろから、強く
抱きしめるのは、槇・・・
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