姫密桜
私の部屋

ドアをノックする音

「サクラ?

 マキは、学校へ行ったわよ
 貴女は、今日は休むの?
 
 今から、学校に連絡する
 けれど、いいわね?」

シーン・・・

私は母の問いかけに、何も
答えないまま、この部屋に
閉じ篭る。

そして、ベッドに顔を埋めて

ただ、泣いているだけ・・・

ただ、逃げているだけ・・・

その頃、槇は学校へと向かう
道のりを、誰からも声を掛け
られることなく、一人きりで
歩く。

そんな貴方に届く言葉、声は
根拠の無い噂話ばかり。
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