姫密桜
女性は、勢いよく席を立つ。

「話が無いのでしたら
 私はこれで・・・」

立ち上がる、彼女の手に触れる
父の大きな手。

私の、大好きな手・・・

その手を、彼女は振り払う。

「ごめん、チグサ・・・
 君に触れたりして

 今日は、君にどうしても
 知らせたい事があって
 君の家まで、すまない

 君に話したいと言うのは
 僕の娘のこと・・・」

僕の娘・・・

ワタシのこと?

再婚・・・するの?

「知っています
 娘、サクラと確か同じ
 学校のはず・・・?」

娘、サクラ・・・?
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