姫密桜

「偶然、聞いてしまったんだ
　・・・
　娘が誰かと電話で話している
　声を・・・」

『学校でも噂になってますよ
　サクラさんとマキさんの
　関係・・・

　親御さんなら、ちゃんと
　監視されたらどうですか？』

「その通話の相手は
　この私よ」

「やっぱり・・・
　マキと言うのはさっき
　サクラちゃんを抱き留めた
　あの男の子？」

クスミさんと、マキが
抱き合っていた・・・

「そうよ、あの子がマキ
　主人の連れ子・・・
　
　マキとサクラは互いに
　幼い頃から好き合って
　います」

遠い昔の私達、僕達の
ように・・・

「そうか・・・
　アズサは、きっと
　彼のことを？
　
　二人の邪魔をして
　いるのか？」

邪魔してるの・・・私？