姫密桜
「エイジさん・・・?
 
 まさか、貴女は・・・
 アズサさん?」

驚く、千草。

「アズサ、どうして」

「お父さん、お願い
 そんな目で私を見ないで」

盗み聞きをして、真実を知った
娘を残念そうに見つめる瞳

「アズサ・・・」

「仕方ないじゃない
 聞きたくないのに
 聞こえてくるんだもん・・・

 マキの愛を独り占めする
 大嫌いな、あの子と私が
 異母姉妹だなんて・・・」

「アズサ、こっちへ
 落ち着いて話そう」

差し出される手・・・

彼女に触れた手・・・
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