姫密桜
残された千草は、動揺して
椅子から立ち上がれない。

・・・動けない。

梓が、この真実をもし
桜に告げてしまったら
桜は・・・

隠し通さなければ・・・

ううん、待って

それは違う・・・

梓が知ってしまった以上
桜にも知る権利がある。

知らなければいけない

話さなければいけない

真実を、桜に話す時が来た

席を立ち、お会計を済ませ
お店を出て行く、千草の
足取りは重い・・・

真実は重く、二人の少女
の背に圧し掛かる。
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