姫密桜
そんな、私の肩を
軽く叩くのは、那智。

「サクラ、俺達がついてる
 何か言われても気にするな
 
 サクラ、何があっても
 アニキの手を、絶対に
 放すなよ」

那智は、知っていたんだね

いつもの第六感で、那智は
これから起こる、私の心の
変化に気づいてた。

開いたままの教室のドアから
洩れる生徒の笑い声。

私は立ち止まり、深呼吸をした

「おはよう」

「おは・・・」

那智と繋いだ手、私は教室
の中へ入って行く。

静まる教室・・・

やっぱり、学校なんて
来なきゃ良かった。

苦しい・・・視線が痛い。
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