姫密桜
私の机の傍

止まる、折口さんの足音。

「オリグチ、やめろ」

那智の声・・・皆が注目する

学校中に鳴り響く、予鈴の音

「クスミさん、次の休み時間
 二人だけで話がしたいの
 
 屋上に来て」

「ごめんなさい、行けない
 
 私は、貴女と話すこと
 何もない」

「・・・
 貴女のお母さんと、私の父
 昔、恋人同士だった事を
 貴女は知ってる?」

何・・・何の話?

「幼馴染でしょう?」

ただの、幼馴染のはず・・・
恋人同士な訳が無い。

サクラ・・・

彼女の言葉に、絶対に
惑わされてはいけない。
< 506 / 675 >

この作品をシェア

pagetop